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ティアーユ洗脳

矢吹健太郎の「BLACK CAT」のキャラクター、ティアーユの洗脳SSです。
良かったら読んでみてください。









トレインたちの訪問、星の使徒による襲撃、エーテスによる自らのコピーからしばらくのときを経て、ティアーユは再びそれまでと同じ生活を取り戻していた。
エーテスが彼女をコピーした以上、星の使徒が彼女に接触する理由はもう何もないからだ。

「はあ…」

イヴのことは今でも気にかかるが、もう彼女はティアーユの手の届かない所へ行ってしまった。また、ティアーユが今更干渉してくることも歓迎しないだろう。

何もできない自分に情けなさと安堵の入り混じったような感情を抱く。



そんな生活を数週間続けていたティアーユに、変化は突然訪れた。彼女の前に再び星の使徒が現れたのだ。

「一体何の用です?私はもう必要ないのではなかったんですか?」
ティアーユは気丈に問いかけた。普段寡黙ではあっても、意志の強さは持っているのである。

「確 かにエーテスが君をコピーしたことによって君の頭脳を手に入れることには成功した。しかし、こいつはあくまでも君の頭脳を写し取って貼りつけたサルにすぎ ない。彼は僕たちの指示を君の知識を使って実行するだけだ。君の発想、君の意思が手に入らなければ、本当の意味で僕たちの目的が達成されることはないんだ よ」
星の使徒の頭脳にあたる男、ドクターが説明した。
そのすぐそばにはティアーユと全く同じ姿、ただし肌の露出をいとわない卑猥な格好のエーテスがいた。ティアーユをコピーした時には威勢の良かったはずのエーテスが今はなぜか空虚な目をしてぼんやりと佇んでいる。

「要するに、僕たちにはやはり君が必要なんだ。ティアーユ博士。それも君の知識だけではなく君の心まで含めてね」
ドクターが続けた。

自分が逃げ場のない状況にあることをとうに認識していたティアーユはあらかじめ用意していた言葉を淡々と言い放った。
「なんと言われようと、私はあなたたちに協力する気はありません。たとえ命を失うことになっても、私のしてきたことに対する当然の報いとして受け入れる覚悟です」

「さすがだね。そうでなくちゃわざわざ手に入れる意味がない」
ドクターはティアーユの言葉にひるむどころか、むしろ満足げだった。
「今何と言っていようと構わない。今の君はすぐに消えてなくなるのだから」

不気味な言葉にティアーユが眉をひそめるのとほぼ時を同じくしてドクターが最初の一手を下した。
「エーテス。彼女に自分と彼女の立場を教えてあげるんだ」

「はい…。ドクター…」
ティアーユと同じ顔が虚ろな声で呟いた。

気がつくとエーテスはティアーユの目と鼻の先にいた。ティアーユが息を飲むのを察してか、エーテスは以前の様子からは想像もつかないような落ち着いた声で囁いた。
「怖がらなくていいのよ。私はあなたのコピー。そしてあなたは私。私たちは限りなく同じ存在に近いのよ」

エーテスの変貌ぶりに気付きながらもティアーユは身動きを取れなかった。その声に引き込まれていってしまう。


「私たちは星の使徒。クリード様の下僕として働くことが私たちの使命なの」

「星の……使徒……。クリード……様……」
ティアーユがぼんやりとつぶやく。その眼にはもう何も映っていなかった。自らとエーテスの存在を分かつものさえも。

「私は……、私は……」
すでに自らの存在の境界を見失ったティアーユは何かすがることのできるものを求めるかのようにかよわい声で繰り返した。

「あなたはかつてティアーユだった。飛び抜けた才能を持つ研究者としてナノマシンの開発を進めた。だけど、今はもう違う。ドクターの手によってその存在は変えられた。星の使徒、クリード様のためだけに生きる存在に」
その時にはエーテスの声はティアーユにとっては心の中の声として彼女に絶対的な真理を告げていた。





「ええ。私はエーテス。星の使徒の一人としてクリード様に永遠の忠誠を誓うわ」
ついさっきまでティアーユだった女性は星の使徒としての自らの立ち位置を確認した。


「さて、それでは用済みになった古いエーテスには退場してもらおうか」
ドクターがティアーユを誘惑したエーテスに手をかざすと、その姿は煙のように霧散していった。

「さあ、エーテス。今着ている服を脱ぎ捨ててそこに落ちているものを身にまとうんだ。それが君がエーテスである証になる」

「はい…ドクター…」
虚ろにつぶやくと、新たなエーテスは衣服を脱ぎ捨て足元にある卑猥な装束に身を包んだ。いや、むしろその妖艶な体をより強調したと言っていいだろう。

「ドクター。クリード様の計画を実現するために提案したいことがいくつかあります。この世界がクリード様のものになる、すばらしい未来のための提案が」
ティアーユだった女の目には露ほどの疑いの色もなく、ただクリードの支配する世界の実現のためだけに奉仕することを心の底から喜ぶさまが見て取れた。
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